緑の免許はどういう意味?運転免許証の色分けに関する違い
自動車を運転するために必要なだけでなく、本人確認書類としても役立つ便利な「運転免許証」。社会人になる前に取得し、更新しながら使っているという人も多いでしょう。普段何気なく目にしている運転免許証ですが、実はよく見るとドライバーによってゴールド、ブルー、グリーンと「色」が異なっているのです。今回は、ドライバーごとに異なる運転免許証の色について、それぞれどんな意味があるのか、どんな違いがあるのかなどを詳しく解説していきます。
運転免許証は3色のカラーがある
運転免許証は自動車の運転技術や知識を身につけていることの証明書であり、顔写真もついているため本人確認書類としても重宝されます。この役割そのものはどの運転免許証も同じであり、持っている人によって効果が変わるということはありません。ただし、運転免許証はドライバーによって3色のカラーに色分けされており、それぞれ微妙に意味が異なる点には注意しておきましょう。具体的には、初心者ドライバーを示す「緑」、一般ドライバーを示す「青」、そして優良ドライバーを示す「ゴールド」の3色です。
緑色は、運転免許証を取得して最初に交付されるものです。いわゆる初心者ドライバーであることを示しており、一定期間が経過すれば卒業してしまうのであまり見かけない色だといえます。青色の運転免許証は、緑色の初心者ドライバー期間を卒業した人が持つものです。ごく一般的なドライバーを示すもので、もっともポピュラーな色と認識されます。ゴールドは、過去数年間にわたり、自動車を運転する際に無事故かつ無違反だったドライバーに交付されるものです。特別に「ゴールド免許」と呼ばれることもあり、厳しい基準をクリアしたごく一部の優良ドライバーしか持っていません。
このような色が付いているのは、運転免許証の中でも有効期限欄の背景部分だけであり、運転免許証全体が緑や青色になっているわけではありません。有効期限の数字は太く大きな字で印字されているので、パッと見ただけでもすぐに気づくでしょう。どの色になるかは、運転免許証の保有期間や交通違反の有無などによって変わってきます。これまであまり気にしていなかった人も、一度自分の運転免許証が何色になっているか確認してみると良いでしょう。
運転免許の新規取得者は緑となる
運転免許証を新たに取得した場合、有効期限欄の背景は新規取得者であることを示す「緑」になります。自動車やバイクなどの運転免許証は、基本的に3年あるいは5年という有効期限が設けられており、有効期限が切れると「更新」手続きを行って次の3年または5年間使用します。初めて運転免許証を取得したドライバーの場合、有効期限は3年間と決められているため、3年経過すると必ず更新しなければなりません。更新を迎えると新規取得者とはみなされなくなるため、運転免許証は青色へと切り替わります。
ただし、初めての更新手続きを迎えるまでに、中型免許や大型免許などの上位免許を取得した場合、その時点で運転免許証の色が緑から青へと変わります。初めて免許を取得してから3年経過していなくても、上位免許を取得すればすぐに青色になるので注意しておきましょう。一度青色へと変わった運転免許証は、二度と緑色に戻ることはありません。つまり、緑色の運転免許証はごく限られた期間だけの珍しい色だといえるのです。
ちなみに、緑色の運転免許証のドライバーが更新手続きを行う場合、初回更新者講習を受けなければなりません。初回更新者講習は、その名の通り初めて更新手続きを行うドライバーを対象としたもので、2時間という比較的長い講習を受ける必要があります。初めて更新を迎えるドライバーはまだ経験が浅いため、この機会にじっくりと運転するうえで大切な知識を再指導しようというわけです。これは法律で義務付けられている講習なので、短時間で済ませてもらうことはできません。初めての更新手続きを行う場合、時間がかかることを覚えておきましょう。
一般運転者免許を意味する青
緑の運転免許証を取得後3年経過して更新手続きを行うと、有効期限欄が一般運転者免許を意味する「青」に切り替わります。一度でも更新を迎えると青色になるため、多くのドライバーが持つポピュラーな運転免許証だといえるでしょう。青色の場合、一般的な有効期限は3年間です。ただし、運転免許証が「初回更新者」「一般運転者」「違反運転者」のいずれを対象として交付されたかにより、有効期限は異なります。まず、新規取得後初めて更新を迎える「初回更新者」の場合、その有効期限は再び3年です。
「一般運転者」とは、運転免許証を取得してから5年以上経過、かつ軽微な違反をしたのが1回以下という人です。違反を一切していない人だけでなく、免許の有効期限が切れる年の誕生日から41日前を起算日として、過去5年間に3点以下の軽微な違反を1回のみしてしまった人も一般運転者に分類されます。この場合、運転に慣れていない初回更新者や、違反が多い違反運転者よりもドライバーとして優秀だとみなされるため、有効期限は5年に延長されます。
「違反運転者」は、運転免許証を取得してから5年以上経過、かつ軽微な違反1回を除く違反をした人です。3点以下の軽微な違反を2回以上してしまったり、4点以上の違反を1回以上したりした場合、問答無用で違反運転者となります。違反運転者もほかのドライバーと同じく青い運転免許証が交付されますが、有効期限は一般運転者よりも短い3年間しかありません。仮に、一般運転者として5年間有効の青い運転免許証を取得していたドライバーが、その5年の間に4点以上の違反を1回してしまったとします。この場合、次回の更新時は違反運転者として分類され、更新後の有効期限は3年になってしまうのです。
また、青い運転免許証では、有効期限だけでなく更新時の講習時間にも違いがあります。有効期限が5年となる一般運転者講習では1時間で済みますが、初回更新者と違反運転者はそれぞれ2時間の講習を受けなければなりません。このように、同じ青色の運転免許証でも、どの運転者として分類されるかによって異なる点もあるので注意しましょう。
優良ドライバーを示すゴールド免許
3色の中でも、もっともグレードが高く一部のドライバーしか持っていないのが「ゴールド」です。幅広いドライバーが持つ緑や青に対し、ゴールドは「優良運転者」と認められた者にしか交付されません。優良運転者とは、運転免許証を取得して5年以上経過し、かつ免許更新時を起点として過去5年間にわたり無事故・無違反だったドライバーのことです。5年間、一度も事故を起こしたり違反をしたりしないというのは非常に難しいことであり、運転技術だけでなく運転に関する意識も優れていることを示しています。
運転免許証でもその功績をわかりやすく称えるために、有効期限欄を特別なゴールドで塗っているのです。無事故・無違反のドライバーだけに与えられる証明書でもあり、更新時の講習も優良運転者講習を30分受ければ良いので手軽です。ほかにも、優良運転者は事故を起こす確率なども低いとみなされるため、任意自動車保険の保険料が安くなるなどさまざまなメリットがあります。また、ゴールド免許は有効期限の面でも有利です。緑や青の運転免許証が基本的に3年なのに対し、ゴールド免許の有効期限はすべて5年です。ゴールドを維持し続ければ更新のたびに5年の有効期限となるので、わざわざ時間を割いて講習を受けたり更新手続きを行ったりする手間もかかりにくくなります。
更新のタイミングでゴールド免許に切り替わる場合は、更新を知らせるハガキに「優良」と印字されているので確認してみましょう。ただし、ゴールド免許に切り替わった後、次の更新までに事故や違反などがあれば、ゴールドから青へと戻ってしまいます。物損事故は加点対象とならないので運転免許証の色に影響はありませんが、それ以外の事故や違反には十分に注意しましょう。
ゴールド免許を更新しないと青に戻る
ゴールド免許は優良運転者だけに与えられる特権ですが、一度ゴールドになれば二度と色が変わらないわけではありません。5年の有効期限の間に事故や違反があれば、当然次の更新時に青い運転免許証へと戻ってしまいます。このケース以外にも、運転免許証の更新手続きをうっかり失念し、失効してしまった場合も同様に青に戻ります。ゴールド免許を維持していくためには、無事故・無違反をつらぬくのはもちろんのこと、有効期限が切れるタイミングできちんと更新手続きを済ませる必要もあるのです。
ただし、事情があって更新手続きができなかった場合などやむを得ない場合は、所定の証明書類を提出することでゴールド免許を継続できることもあります。この場合、失効から6カ月以内などの条件があるので注意しておきましょう。また、運転免許証の紛失や汚損などにより再発行した場合も、ゴールド免許から色が変わる心配はありません。色が変わるのは、あくまでも事故や違反、失効が起きたときだと覚えておきましょう。ちなみに、ゴールド免許は5年間無事故・無違反であればどのドライバーでも取得できます。実際に自動車を運転しているかどうかは関係ないため、普段はまったく運転をしないペーパードライバーでも優良運転者になることは可能です。
ただ、ペーパードライバーは運転技術や知識などが低下しているケースも多いので、ゴールド免許だからといって自分を過信してはいけません。久しぶりに運転するときは、経験の浅いドライバーと同じように、くれぐれも用心深く運転するよう心がけましょう。
ゴールド免許の取得による特典
5年間にわたり、事故も起こさず違反もしないというのは、簡単なことではありません。さらに、自動車を運転するうえで安全や法令順守を心がけるのは必要不可欠なことでもあるため、ゴールド免許を持っている優良運転者にはさまざまな特典が用意されています。代表的な特典として挙げられるのは、任意自動車保険において割安な保険料で加入できるというものです。多くの保険会社では、ゴールド免許保持者に対して保険料の割引サービスを行っており、緑や青の運転免許証保持者と比べて保険料を節約できます。実際にいくら割引となるかは保険会社によって異なるので、契約前に確認すると良いでしょう。
また、運転免許証を更新する際にも特典があります。緑や青の運転免許証の場合、基本的に更新手続きを行えるのは住民票を登録している都道府県です。この点、ゴールド免許に限り、住民票の登録地以外の都道府県でも更新手続きが行える「経由更新」が可能になります。ただし、更新手続きができる期間は、有効期限が切れる年の誕生日前1カ月間のみとなるので注意しましょう。
さらに、1年以上無事故・無違反を維持していれば、「セーフ・ドライバーカード(SDカード)」の申請が可能となります。SDカードとは、安全運転ドライバーの証であると同時に、全国1万5,000店舗ある加盟店でさまざまな割引サービスが受けられるカードのことです。どんなサービスが受けられるかは加盟店ごとに異なりますが、お得な特典であることに違いはありません。SDカードの申請そのものは運転免許証の色を問わずに行えますが、与えられるSDカードの色は無事故・無違反の期間に応じて変わります。最高ランクのSDスーパーゴールドカードを持つことができるのは、20年以上にわたって無事故・無違反を守ったドライバーだけなので、ゴールド免許保持者も取得を目指してみると良いでしょう。
無事故無違反を意識しておこう
持っているドライバーも多い緑や青の運転免許証と違い、ゴールド免許は珍しいものです。優良運転者であることを周囲に示せるだけでなく、自動車保険料の割引やSDカードによるサービスなど、さまざまな特典まで受けることができます。メリットが多いため、ゆくゆくはゴールド免許の習得を目指したいと思っているドライバーも多いでしょう。しかし、このようなメリットがなくても、運転免許証を保有している限り常に安全運転を心がけることが何より大切です。
ゴールド免許の取得を目指すというより、無事故・無違反を継続することにより、結果的にゴールド免許の取得につながると理解しておきましょう。軽い物損事故や運転免許証の携帯を忘れてしまったというだけでは、違反点数にはカウントされないので運転免許証の色に影響はありません。しかし、軽微であっても小さな違反を繰り返していると、いつか重大事故につながるリスクもあります。ゴールド免許に影響があるかどうかではなく、常に安全運転を心がけることを忘れないようにしましょう。
安全運転を心がけてゴールド免許を目指そう
緑、青、ゴールドという3つの運転免許証の色は、ドライバーの技量を示すものです。自分の運転次第で色を変えることも可能なので、車を使うときは常に安全運転を心がけ、ゴールド免許の取得を目指してみましょう。
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