教習所にも種類があるって本当?公認・非公認の違いとは

運転免許を取得するには、教習所(自動車教習所)を卒業し、運転免許試験場(運転免許センター)で試験を受けるのが一般的です。そのため、試験に向けた学科・技能教習を受けるための教習所選びは、免許取得をスムーズに進める上での重要なポイントになります。
そこで知っておきたいのが、教習所の種類には大きく分けて「公認」と「非公認」の2種類があり、どちらを選ぶかによって教習の進め方や試験の受け方、さらには費用にも大きな差が生まれるということです。
この記事では、この「公認」「非公認」の2種類の教習所について、料金や免許取得までの流れなどの基本的な違い、それぞれのメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。これから教習所に通って免許取得を目指す予定のある方は、ぜひ最適な教習所選びの参考にしてください。
自動車教習所には大きく分けて「公認」と「非公認」の2種類ある

教習所には、公安委員会から指定・認可を受けているかどうかで「公認」と「非公認」の2種類に分類されます。さらに非公認は「届出自動車教習所」と「指定外自動車教習所」の2つに分かれるため、細かく見ると全部で3種類に分類されることになります。
まずはそれぞれの種類と特徴を理解しておきましょう。
公認教習所(指定自動車教習所)
公認教習所とは、都道府県公安委員会が「道路交通法第99条」に基づいて指定した教習所のことです。正式名称は「指定自動車教習所」で、一般的には「公認教習所」「公認自動車教習所」とも呼ばれており、警察庁の統計によると、令和6年時点で全国に1,288校あります(参照:運転免許統計(令和6年版))。
この公認教習所(指定自動車教習所)として認められるには、公安委員会が定める以下の3つの基準をすべて満たす必要があります。
| 基準 | 内容 |
| 人的基準 | 資格のある指導員・技能検定員が配置されていること |
| 物的基準 | 定められた広さのコースや教習車両、学科教室等があること |
| 運営基準 | 教習内容等が道路交通法令の定める基準に適合していること |
こうした厳しい基準をクリアしているからこそ、公認教習所(指定自動車教習所)は、卒業すると運転免許試験場での実地試験(技能試験)が免除されるという大きな特典があります。
そして、この「試験免除」というメリットの大きさから、運転免許試験合格者中の97%以上が指定自動車教習所で学んでいるともいわれています。(参照:令和7年交通安全白書(全文)-内閣府)
公認かどうかを見分ける方法としては、「指定自動車教習所シンボルマーク」が目印になります。ブルーの円形のマークの中央に乗用車のデザインが施され、円の縁の上部に「指定自動車教習所」と表示されているため、教習所を選ぶ際にはぜひ確認してみてください。
非公認教習所
非公認教習所とは、一般に、公安委員会の指定を受けていない自動車教習所を指します。公認教習所(指定自動車教習所)とは異なり、卒業しても運転免許試験場での技能試験は免除されません。そのため、免許取得にあたっては、最終的に運転免許試験場で学科試験・技能試験などを受ける必要があります。
また、公認教習所(指定自動車教習所)で実施されるような法定の教習課程とは異なり、非公認教習所では、各校の方針により教習内容や進め方が異なります。そのため、教習の質に関してもばらつきがあることは覚えておく必要があるでしょう。
なお、非公認教習所は、公安委員会との関わり方によって「届出自動車教習所」と「指定外自動車教習所」の2種類に分かれます。
1. 届出自動車教習所
届出自動車教習所は、公安委員会へ届出をしている非公認教習所で、全国に約130校存在するといわれています。
非公認の教習所の中でも、届出自動車教習所は公安委員会から指導や助言を受ける立場にあります。そのため、公安委員会の定める基準にまったく沿っていないというわけではありませんが、従う義務があるわけでもないため、融通が利きやすく、個人のペースで学科や技能を学びやすいという特徴があります。
ただし、そういった自由さがある反面、教習所内で検定や仮免許試験を受けることができません。そのため、在学中に運転免許試験場へ出向き、仮免技能試験・仮免学科試験・本免技能試験を受験する必要があり、試験を受けるたびにその手間や交通費・受験料などの実費がかかる点には注意が必要です。(受験費用が教習料金に含まれている届出自動車教習所もあります)
なお、在学中に特定講習を受講できる届出自動車教習所を除き、本免技能試験に合格してから免許が交付されるまでには「取得時講習(7時限)」の受講が必要となる点も、覚えておくとよいでしょう。
2. 指定外自動車教習所
指定外自動車教習所は、公安委員会への届出も行っておらず、公安委員会の指導や監督も受けていない非公認教習所です。経営規模が小さいところが多く、なかには教習コースを持たず、コースを借りて教習を行っている教習所も存在します。
そして、指定外自動車教習所から運転免許の取得を目指す場合、届出自動車教習所と同様に技能試験の免除はありません。また、学科教習がない教習所が多いのも特徴で、それにより指定自動車教習所よりも費用が安く、運転技量によっては短期間で修了できることから、運転免許失効者やペーパードライバーが車の運転に慣れることを目的に利用されるケースも少なくありません。
こうした理由から、指定外自動車教習所は自動車運転初心者向けではなく、運転経験者向けの教習所といえるでしょう。
公認教習所(指定自動車教習所)と非公認教習所の主な違い
ここまで公認教習所と非公認教習所の種類について解説してきましたが、実際に教習所を選ぶ際には、両者の具体的な違いを把握しておくことが大切です。
ここからは、「教習料金」「免許取得までの流れ」「試験場所」の3つの観点から、主な違いを比較していきます。
教習料金の違い
教習所の区分ごとの教習料金の目安は以下の通りです。
| 区分 | 教習料金の目安 |
| 公認教習所(合宿免許) | 約22万〜40万円前後(時期により) |
| 公認教習所(通学免許) | 約30万〜38万円前後(時期により) |
| 非公認教習所 | 約15万〜20万円前後 |
このように公認教習所は、非公認教習所と比較して費用が割高になる傾向にあります。これは公安委員会が定める厳しい基準を満たすために、資格を持つ指導員の確保や教習コース・学科教室といった設備の整備など、多岐にわたる費用が必要となるためです。その分、教習の品質が保証されているともいえるでしょう。
一方、非公認教習所は教習費用自体は安いものの、別で試験受験料と取得時講習代などがかかります。さらに、各試験に一発で合格できなかった場合はその都度追加費用が発生します。一発試験の合格率は低いとされているため、一見費用が安く見える場合でも、最終的なトータルコストが想定以上にかかるリスクもあることを覚えておきましょう。
免許取得までの流れの違い
公認教習所と非公認教習所では、免許取得までの流れが異なります。それぞれ、基本的な流れは以下の通りです。
<公認教習所での免許取得までの流れ>
- 入校手続き・適性検査・先行学科
- 第一段階(学科教習・技能教習・効果測定・修了検定・仮免学科試験)
- 仮免許証交付
- 第二段階(学科教習・技能教習・効果測定・卒業検定)
- 卒業証明書の発行・卒業
- 運転免許試験場での学科試験・適性検査
- 運転免許の取得
<非公認教習所での免許取得までの流れ>
- 入校
- 第一段階(校内技能教習のみ、学科は自己学習)
- 運転免許試験場での仮免学科試験・仮免技能試験
- 第二段階(路上教習)
- 運転免許試験場での本免学科試験・本免技能試験
- 取得時講習の受講
- 運転免許試験場での適性検査
- 運転免許の取得
公認教習所では、第一段階の学科・技能、第二段階の学科・技能と、段階を踏んで教習が進みます。また、卒業検定に合格すると卒業証明書が発行され、それを運転免許試験場へ持参することで技能試験が免除されます。最後に運転免許試験場で学科試験と適性検査に合格すれば、運転免許が取得できます。
非公認教習所でも同じように段階を踏んで教習が進むものの、教習所で受けられるのは技能教習のみで、学科教習は自習となるケースがほとんどです。また、各試験はすべて自身で運転免許試験場で受験する必要があり、本免学科試験・本免技能試験に合格した後も、公認教習所での取得時講習を経てから免許証が交付される流れとなります。
試験場所の違い
公認教習所と非公認教習所では、試験を受ける場所にも大きな違いがあります。以下の表で比較してみましょう。
| 項目 | 公認教習所 | 非公認教習所 |
| 修了検定(技能試験) | 教習所内 | 運転免許試験場 |
| 仮免学科試験 | 教習所内 | 運転免許試験場 |
| 卒業検定(技能試験) | 教習所内 | ー |
| 本免技能試験 | 免除 | 運転免許試験場 |
| 本免学科試験 | 運転免許試験場 | 運転免許試験場 |
公認教習所の場合、運転免許試験場に出向くのは卒業後の本免学科試験のみで済みます。これは、指定自動車教習所の卒業によって仮免技能試験と本免技能試験の2つの実地試験が免除されるためです。
一方、非公認教習所ではすべての試験を運転免許試験場で受験しなければなりません。運転免許試験場での試験は平日のみの実施であるため、平日勤務の仕事をしている方にとっては、何度も足を運ぶ負担が大きくなる可能性があります。
公認教習所を利用するメリット・デメリット

公認教習所と非公認教習所の違いを理解したところで、ここからはそれぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
公認教習所を利用するメリット
公認教習所を利用する主なメリットは以下の通りです。
- 運転免許試験場での実地試験(技能試験)が免除される
公認教習所を卒業すると、仮免技能試験と本免技能試験の2つが免除されます。いずれも運転免許試験場のコースで受ける試験であり、慣れない場所での試験は緊張も大きく、合格難易度は高いともいわれています。最終段階でこの技能試験が免除されるのは、公認教習所を選ぶ最大のメリットといえるでしょう。
- 教習で慣れたコースで試験を受けられる
公認教習所では、修了検定や卒業検定を運転免許試験場ではなく教習所側で受けることができます。修了検定は主に教習所内コースで行われ、普通車の卒業検定は教習所周辺の路上コースや一部所内で実施されます。普段の教習で使用するコース、またはそれに近い環境で検定を受けられる点は、受験の不安を軽減することにもなる、重要なメリットの一つです。
- 運転免許試験場へ行くのが1回で済む
公認教習所の生徒が運転免許試験場で試験を受けるのは、教習所卒業後の学科試験・視力検査などの適性検査時のみです。これらに合格することができれば、多くの場合その場で免許証が交付されるため、運転免許試験場へ足を運ぶのは一度のみで済ませることができます。
- 資格を持った教習指導員(教官)に教わることができる
公認教習所の教習指導員になるには「教習指導員資格」の取得が不可欠で、合格した教習指導員は指導に必要な専門知識や技術を兼ね備えています。プロの指導員から質の高い指導を受けられるため、初めての運転でも安心して免許取得を目指すことができます。
公認教習所を利用するデメリット
一方で、公認教習所には以下のようなデメリットもあります。
- 所定のカリキュラムを消化する必要がある
公認教習所のカリキュラムは全国どこでも統一されているため、当たり外れが少ない反面、すべてのカリキュラムを消化しなければなりません。特に学科教習は自習でも学べる内容ですが、公認教習所では授業への出席が不可欠とされており、負担に感じられる場合もあるでしょう。
- 教習期間に9ヵ月の期限がある
公認教習所では、最初の教習日から9ヵ月の期限内に教習を修了する必要があります。期限内に修了できなかった場合は再度入校手続きが必要となり、その分の費用がかかります。
- 非公認教習所と比較して費用が割高
公認教習所では、運転免許試験場での実地試験免除に値するスキルを身につけるために、非公認教習所と比較して充実した設備やカリキュラムが用意されています。また、資格を持った指導員が指導を行うため、結果として、料金も割高になる傾向にあります。
非公認教習所を利用するメリット・デメリット
続いて、非公認教習所を利用する場合のメリット・デメリットを見ていきましょう。
非公認教習所を利用するメリット
非公認教習所を利用する主なメリットは以下の通りです。
- 公認教習所よりも料金が安い
非公認教習所では、公安委員会の基準を満たす必要がないため、施設の維持費や指導員数などの経費を抑えた運営が可能です。
- 柔軟なスケジュールで教習を進められる
非公認教習所にはカリキュラムの規定がなく、教習期限も定められていないため、自分のペースで教習を進められます。苦手な部分を集中的に練習するなど、自由度の高い教習が可能です。
- 通学の回数を減らせる
非公認教習所では、公認教習所のように1日に受けられる技能教習の時限数に制限がありません。また、学科教習が必須ではない教習所も多いため、1日にまとめて技能教習を受けるようにスケジュールを組めば、通学の回数を減らすことも可能です。
- 免許所持者の運転練習の場としても活用できる
学科教習がないところも多いため、すでに免許を所持している方でも、苦手な運転技術の練習を目的に、技能教習だけを中心として利用することができます。
非公認教習所を利用するデメリット
一方で、非公認教習所には以下のようなデメリットもあります。
- すべての試験を運転免許試験場で受験する必要がある
非公認教習所では、教習所内で仮免技能試験や仮免学科試験、卒業検定を受けることはできません。試験はすべて運転免許試験場へ出向いて受験する必要があり、試験を受けるたびに交通費がかかるだけでなく、移動や待ち時間などの手間もかかります。
- 技能試験の免除が一切ない
公認教習所の卒業生のような試験免除がないため、運転に不慣れな方などは、運転免許試験場での試験に合格するまで時間がかかることもあります。
- 指導内容にばらつきがある
非公認教習所は各教習所独自のカリキュラムで教習を行うため、指導内容や指導方法・指導技術にばらつきがあります。教習所の規模や方針によって重視するポイントが異なるため、運転技術の習得に影響が出るケースも考えられます。
- 学科は自己学習が必要
非公認教習所では学科教習が必須ではなく、実施している場合でも体系的に行われるとは限りません。そのため、学科試験に合格するには自分で必要な知識を学習する必要があります。
- 教習所選びが難しい
非公認教習所は教習所ごとの差が大きいため、慎重に選ぶ必要があります。教習コースを持たない教習所もあるため、費用だけでなく施設や指導体制なども事前に確認することが求められます。
「公認」と「非公認」どちらの教習所を選ぶべき?
ここまで解説した公認教習所と非公認教習所のメリット・デメリットを踏まえると、それぞれ以下のような方におすすめできます。
▼公認教習所が向いている人
- 初めて運転免許を取得する人
- 短期間で確実に免許を取得したい人
- サポート体制を重視する人
▼非公認教習所が向いている人
- 過去に運転免許を取得していた人
- 一発試験合格に自信がある人
- ペーパードライバーで運転に慣れたい人
公認教習所と非公認教習所では根本的な教習システムが異なるため、メリットとデメリットだけで教習所を選ぶのは得策とはいえません。それぞれの特徴を理解したうえで、自身に合った教習所を選びましょう。
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